こんにちは、Rakkyです。私は大学卒業後、SIer企業に就職し、そこで8年間働いていました。結論から言うと、「やめとけ」はおおむね正しいと感じます。
しかし100%「やめとけ」とは言えない理由も一部あります。
今回はSIer企業での経験やSIerについて感じたことを記事にまとめてみました。
「やめとけ」と言われがちなSIer業界に就職する方やSIerの仕事内容に興味がある方は読んでみてください。
この記事は筆者の体験談を書き起こしたのです。
この記事でわかること
- SIerはやめとけ、と言われる理由
- SIer企業で働くメリット、デメリット
- (経験談)実際の仕事内容
- (経験談)SIer企業で働いて辛かったこと
それでは解説していきます。
SIerはやめとけ、と言われる理由
下記の3点にほとんどの理由が集約されています。
①給料が安いから
私は東証一部上場のSIer企業に勤めていましたが、当時の平均年収は「320万円」程度でした。
有価証券報告書には「450万円」程度と載っていましたが、勤務地による差がある為、常に会社の平均年収より低い給料で働いていました。
しかも8年間働いたところで昇給も微々たるもので年収が増えている実感が全くありませんでした。
しかも、ブラック企業に良くある「後から入った新人の方が給料が安い」という現象まで起こっていました。
②離職率が高いから
私が勤めていたSIer企業の有価証券報告書(2022年度3月期)によると、平均勤続年数は『9.1年』でした。
新卒で入社した場合30歳で退職することになります。
やっと仕事が軌道に乗ってきたはずの30代で退職する人が多いのは、将来に不安にを感じ見切りをつける人が多い為です。
③客先常駐が基本で職場が安定しないから
SIer企業はお客様企業の問題解決を担うアウトソーシング事業です。
企業の性質上、お客様のオフィスに常駐し仕事をすることになります。
契約が終わればまた別のオフィスに常駐し・・・と安定した職場で安心して働く、というビジョンとはかけ離れたスタイルになります。
職場がガラッと変われば当然、人間関係も大きく変わります、これをストレスに感じる人は多いはずです。
SIとSEの違い
SI(システムインティグレーション)は、クライアント業務を把握し、コンサルティングから設計、開発、運用・保守までを請け負うことを言います。
このような受託業務をビジネスとしている企業をSIer(システムインティグレーター、またはエスアイヤー)といいます。
一方SE(システムエンジニア)は、システムを作る人のことで、企業では無く人そのものを指しています。
SIerの業務形態
SIerはお客様企の業務コンサルティングからシステム運用から保守と一貫したサービスを提供しています。
上記でも触れましたが、客先に常駐し客先でサーバー管理やパソコン管理、システム運用をすることが基本になります。
もちろん契約が終了すればその事業所は引き上げになり、また別のお客様企業内で事業所を立ち上げ、常駐しながらサービスを提供することになります。
私の場合、同じ建屋内にお客様企業が入っていた為、客先での常駐はありませんでしたが基本的にはシステムの打合せやパソコンのトラブル対応で直接客先に出向く機会が多かったです。
(経験談)実際の仕事内容
SIerの仕事、と言っても実際の業務で具体的に何をしているのか疑問が多いと思います。
私がSIer企業に在籍していた時代に経験した業務内容を大まかに解説します。
①機器管理
各サーバが正常に稼働しているか確認する業務です。月に1度はシステムのバージョンアップやリフレッシュを兼ねたサーバー類の再起動を実施していました。
またサーバー側から、客先のパソコンがウィルスに感染していないかの確認もしていました。
②機器更改
サーバー機器は数年に一度入れ替えがあります。機器入れ替えに当たるシステムの移行や動作確認、日程調整をしていました。
③システム運用、スケジュール管理
メインとなる業務システムの運用をしていました。お客様の担当領域、SIer側の担当領域が決まっておりスケジュールにそって処理作業を実行する仕事でした。
お客様はシステムのことは分からないので、処理内容や意味を説明したりと、世話係的な面が強い仕事でした。
④手順書、報告書作成
業務システムを運用する上での処理方法、マニュアル作成を行い、作業リストを作ったり会議の議事録を作成したりしていました。
ざっとこのような業務内容でした。
サーバー管理からシステム運用、書類作成まで面倒を見る幅がかなり広い仕事になっています。
SIer企業で働くメリット、デメリット
メリット
メリットは、機器管理からシステム運用まで幅広く仕事をすることで、幅広い知識を浅く広く身に着けられる点にあると思います。仕事量は多いけど専門的な知識は入社時は不要でした。
未経験でも問題無く業務を覚えることが出来ました。私の場合はSEのようにプログラムを作ることもありませんでした。
「文系でプログラムも全く分からず、読める気もしない」という人でも運用やサポート業務であれば問題なく業務をこなすことができます。
また、SIer企業は大量入社・大量退職を前提としたマンモス企業であることが多いことから、入社した人間に対するビジネスマナー研修や現場での新人研修は手厚い傾向にあります。
デメリット
専門的に身につくスキルは少ないです。
一度覚えればマニュアルに沿った仕事になりがちなので、時期が来たら処理ボタンを押すだけの慣れれば誰でも出来る仕事と言えます。
またSIer側の立場が弱くなりがちなのもデメリットです。
SIer企業はお客様をビジネスパートナーと謳っていますが、お客様からすれば業務委託する先は安くてサービスが良ければどこの企業でも良い訳です。
お客様の中には
「こちらのわがままを聞いてくれる便利屋」
と考えている方も当然います。
そういった方たちを刺激せず穏便に対処する必要がある為、精神的に消耗しやすいと言えます。
(体験談)SIer企業で働いて辛かったこと
SIer企業の立場が弱いことを象徴するかのような出来事をいくつか経験したので、紹介します。
いきなり乗り込んできたお客様
お客様企業の係長がいきなり会社にやってきて
「Rakky(私)が生意気で態度が悪い。仕事用のパソコンを取り上げる。」
と言われた経験があります。
「いきなり!?なぜ私!?」
と動揺し困惑しました。
後で聞くとその係長はプライベートで辛いことがあり、気の弱そうな私に強く当たってしまったとのことでした。
上司からは「彼は情緒が不安定だから仕方ない」と言われました。
もちろんお客様と言えど、係長クラスの人間に私の仕事を取り上げる権限などありません。
2024年現在であればハラスメントにあたるかも知れません。こういったことはSIer側の立場が弱すぎる故に発生する事象です。
「お客様は神様」タイプの方がいるとSIer側の事務所の空気もピリピリし、社内の空気も常に張りつめていました。
周りから面倒事を押し付けられる
トラブル発生のリスクが高い案件や地道でミスが許されない確認作業、休日出勤が必要な仕事は誰もやりたくありません。
ですがアウトソーシング業はお客様の面倒事を引き受ける業種ですので、どうしても定時後の作業や休日出勤が必要な場面が出てきます。
その時、SIer企業内で作業の押し付け合いや立場の弱い人間に業務を引き継がせる流れができていました。
私は当時、プライベートより業務を優先するのは当然だと思い込んでいました。
転職した今ではプライベートも大事だという思考に切り替えることが出来ました。
私は言われた業務は全て引き受けていたので、人より抱えている案件が頭一つ抜けて多く、退職時の引継ぎでは苦労することになりました。
反省会の常態化
私が退職する半年ほど前から、システムトラブルによりお客様からクレーム発生→対策書を求められる→社内の全員が集まって報告会、という流れの出来事が数回ありました。
こういった反省会、報告会が情態化すると働く側は常にトラブルにおびえて仕事をしなければなりませんでした。誰かが怒られているのを見ながら「明日は我が身」と常に不安な気持ちで働いていました。
SIer企業を退職した今でこそ言えますが、当時の私は完全に「ブラック企業で消耗している人」でした。
SIer企業を退職
私は結局、そのSIer企業を8年間働いた末に退職しました。
退職すると言いづらい雰囲気が蔓延していましたが、意を決し
「4ヶ月後に退職したい」
と上司に伝えました。
その際「仕事に対して無責任だ、4ヶ月後に退職したいなんて急すぎる、非常識だ、誰が君の仕事をするんだ」などと非難されましたが、最終的には退職しました。
仕事の責任とは、あくまで会社上層部や会社そのものに付随するものであって、末端の私が負うべきものではありません。
職場の同僚からは退職の順番待ちなんて言葉も出る位、みんなが辞めたがっていたのを覚えています。
退職代行を使うことは無かったのですが、状況によっては使う選択もあったかもしれません。
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まとめ:SIer企業で長く勤めるのは困難
SIer企業は社会人に成りたての新卒の方や働き出してまだ年数の短い方の基本的なトレーニング場、として勤務するには良いかも知れません。
しかし10年20年と同じ会社で働き続けたい、という思いを持っている方にとっては「やめておけ」と言わざるを得ない、のが結論です。
SIer企業はお客様企業に入り込むサービス業、という業務形態です。
その中でどうやってSIer企業がオリジナルの製品やサービスを提供しお客様と対等な関係で仕事が出来るか?というのがSIer企業で働きやすいかどうかを分けるカギだと感じました。
働く側からすればどうしてもデメリットばかりが目立ち、よいところはあまり無いかも知れません。
ただ一般的な初歩のITスキルを身に着け、基本的なビジネスマンとしてのマナーが身についたことだけは良かったのかも知れないと、退職した今ではそう思います。
今回の記事は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。