こんにちは、Rakkyです。
みなさんはブルーベリーを栽培する際、用土は何を使っていますか?
「ブルーベリー専用土」
であったり
「ピートモス」
を使用するのが一般的ですよね。
私は2022年度はベリーズライフさんが販売している用土で栽培をしましたが、2023年は
「ベラボン」
という資材と通常のブルーベリー専用土を混合して植え替えることにしました。
今回はその際の手順記録です。
今回紹介する手順で一足先に植え替えていたピンク色のブルーベリー「ピンクレモネード」の生育結果も記事の終盤に記載しています。
植え替え結果として、良好な結果が得られたので新しい方法を模索している方は是非試してほしいと思います。
管理人は2022年からブルーベリー栽培を賃貸の小さな庭で始めました。
2022年はマニアックな資材で栽培をしていましたが、今後はもっと手軽に手に入る資材で植え替える方針に切り替え、ブルーベリー栽培を楽しむことに決めました。
2022年度に実施した植え替え手順はこちらで解説しています。合わせてご覧いただければ幸いです。
この記事で分かること
- ベラボン+ブルーベリー専用土を使用した植え替え方法
- 硫黄粉による酸度調整方法、用量と注意点
- 1年間育成した結果の根張り状況(ピンクレモネードで検証)
それでは解説していきます。
ベラボンの特徴とメリット
ベラボンは、株式会社フジックさんの特許技術でヤシの実を加工した資材になります。
公式HPの情報はこちらになります。
特徴として
- 軽い、清潔
- 吸水性、保水性、排水性にすぐれる
- 5年以上性能が長持ちする
- 可燃ごみで処分できる
- ph値6.2
一部の特徴を挙げるだけでも、これほど魅力があります。
私が特にブルーベリー栽培においてベラボンに優位性があると感じたのは、
- 「吸水性、保水性、排水性にすぐれる」
- 「5年以上性能が長持ちする」
- 「ph値6.2」
特にこの3つです。
吸水性、保水性、排水性にすぐれる
根腐れを防止する上で、「排水性」は重要な項目です。
ピートモスは酸性であることにブルーベリーに対する優位性があることは間違いありません。
しかし
「水のやりすぎによる常に加湿状態」
には気を付ける必要があるとも感じていました。
ピートモスは、最初は水を弾くので水に漬け水を吸わせる必要があります。
しかし水を常に吸っている状態は加湿に繋がります。
そこでベラボンを混ぜることで用土全体のピートモス配合割合を減らし、常に加湿されている状況を軽減できると考えました。(2022年~2023年にかけての栽培でコココシ資材はブルーベリー栽培に有効だと分かった、というのもあります。)
5年以上性能が長持ちする
用土としての性能が長持ちする点もベラボンを選択したポイントとなりました。
ピートモスは泥炭とも呼ばれている為、植え替えを渋っていると用土中のピートモスが分解され、泥化する恐れがあります。
ブルーベリーは細根の植物ですので、ピートモスが泥化することで根の成長が阻害され、根っこの中心部が泥で固まるのでは?と懸念していました。
その点ベラボンであれば性能が長持ちするため、長期的に「吸水性、保水性、排水性」が期待できると考えました。
ph値6.2(弱酸性から酸性なら調整しやすい)
実際のブルーベリーの生育において適正なph値は
- ラビットアイ系はph4.3~5.5
- ハイブッシュ系はph4.3~4.8
とされています。
多くの植物はph6.5位の弱酸性が成長に最適、とされていますがブルーベリーは酸性を好む為、他の植物とは大きく異なります。
実際問題として
「用土そのものが酸性」
という性質を持っているのはピートモスしか私は知りません。
ブルーベリー専用土はピートモスを配合していますが、専用土だけですでにピートモス配合割合が高いと個人的に感じていました。
そこで弱酸性であるベラボンに硫黄を添加して酸性化すればピートモス配合を下げることが可能、と考えました。
ベラボンには他にも根張りが良い、等利点の多い資材です。
専用土50% ベラボン50%で使用する理由
ベラボンに優位性があることが分かった上で、実際にブルーベリーに使用する用土としては
「ブルーベリー専用土50% ベラボン50%」
という構成を使用することにしました。その理由は2つあります。
理由①
ベラボンのphは「6.2」とされています。
phをブルーベリーに合った酸性にする為には、後述する硫黄を使った方法を取ります。
硫黄によるph調整はゆっくりと効果が表れる(約2~3ヶ月)とされている為、最初はブルーベリー専用土のphが必要になります。
また硫黄によるph酸性化は用土内の微生物の分解による効果なので、ブルーベリー専用土が混ざっていた方が酸性化を促す要因になると考えました。
鉢植え管理でも土壌phを簡単に測定できる方法については、以下の記事で解説しています。よろしければご覧ください。
理由②
もう一つは元肥にマグァンプKを使用したかったからです。
ブルーベリー専用土に肥料分の入っていない用土を混ぜれば、その分元肥を入れても肥料過多にはならないという考えです。
用土構成が決まったので、植え替えを始めていきます。
植え替え資材準備
使用する用土が決まったところで、まずは植え替え資材を準備します。
- ベラボンSサイズ
- ブルーベリー専用土
- マグァンプK中粒
- 硫黄粉
- スリット鉢(今回の記事では7号鉢CSM-210⇒8号鉢CSM-240を2本分)
- (マルチング用)鉢底ネット
- (マルチング用)バークチップ
- (マルチング用)ココヤシファイバー
- (道具)根かき
ブルーベリー栽培にスリット鉢を利用することによるメリットについては、下記の記事で解説しています。スリット鉢の基礎知識としても読んで頂ければ幸いです。
用土の準備
ブルーベリー苗を鉢から取り出す前に、まずは必要な資材を全て混ぜておきます。
今回の植え替え手順では
- ブルーベリー専用土3.5kg
- ベラボン3.5kg
- マグァンプK中粒35g
- 硫黄9g
を使用しました。この量で7号スリット鉢から8号スリット鉢への植え替え2本分になります。
マグァンプK中粒は、用土1Lあたり5gの計算で混ぜました。
硫黄の使用量についてはこちらでも紹介していますので、よろしければご覧ください。
画像では同じココヤシ繋がりということで、ココヤシファイバーも若干混ぜてみましたが、用土がこんがらがって何だか使いにくくなってしまったので、
普通に「専用土:ベラボン=1:1」がおすすめです。
植え替え開始
では、実際に植え替えしていきます。
鉢植えから苗木を取り出し、根かきをする
植え替えるブルーベリーを鉢から取り出し、根かきをします。根かきにつかう道具は100円ショップでも手に入ります。きれい、かつ楽に作業ができます。
根かき後、植え替え用の鉢に苗をセットし、底に準備した用土を少し入れ高さ調整します。
高さがあったら、後は周りに準備した用土を詰めていけば作業完了です。
後は、表面にマルチングをして作業終了になります。
マルチングの方法については、こちらで解説していますのでよろしければご覧ください。
※2024年2月追記。
今回の植替え方法を実施した3ヶ月後、ph測定をしました。
理論上の適正phには遠いけれど、シビアに管理せず実際の生育が良好であれば問題無いと判断しました。
結果が6.5(黄緑色)になってきたら、調整する予定です。
今回の手順での1年経過後の生育(ピンクレモネード)
今回紹介した方法で1年間育成したピンクレモネードの根張り結果を紹介します。
自根(じこん)苗と接ぎ木苗、それぞれ1年間の検証結果です。
◆植え替え前◆まずは自根苗の根張りです。
◆1年経過後◆自根苗を今回の手順で植え替えた結果です。
かなり根が貧弱な状態から、いきなり8号鉢に植えつけましたが十分な生育結果となっています。
◆1年経過後◆次に、接ぎ木苗を今回の手順で植え替えた結果です。
接ぎ木苗は植え替え前時点の根張り状況が自根苗よりも良好だったこともあり、1年経過後の根張り状況についても、自根苗より優秀な結果となりました。
まとめ:ベラボンを使ってブルーベリー栽培を楽しもう
今回は、ブルーベリーの植え替えにおいて
「ブルーベリー専用土:ベラボン=1:1」
で植え替える方法と生育結果の例を紹介しました。
ブルーベリーは他の植物とは違う酸性を好む性質上、用土をどうするかは昔から議論されている問題です。
今回の手順はブルーベリー育成において、「理論上」「実際の結果」共に良好な結果が得られました。
みなさんもベラボンを使用した植え替えを試されてみてはどうでしょうか?
今回は以上となります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。